BIM(ビム)とは?建築ビジネスでの活用法と3つのメリットを紹介
DXとは?
2021.08.22

BIMwork
世界的に注目を集めているDX(デジタルトランスフォーメーション)。このDXと建築業界にはどのような関係性があるのでしょうか?BIMを扱う設計士であれば、どんなメリットを生む出すのか知っておく必要があります。
DXとは、進化したデジタル技術を用いて業務やビジネスモデルを大きく変革させることです。このDXとBIMの関係性を理解するためにも、本記事ではDXの基礎概要、建築業界におけるDXを解説します。最後までご覧になることで、DXのイメージがより明確になるはずです。
目次
DXとは?
近年、世界的にDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉に注目が集まっています。このDXとは、進化したデジタル技術を用いて業務やビジネスモデルを大きく変革させることです。業務を効率化するだけでなく、DXはその先にある大規模な変革を目指します。
この概念を提唱したスウェーデン・ウメオ大学教授「エリック・ストルターマン氏」は、DXを下記のように定義しています。
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」
建設業界にDXを導入することは困難であるように思えますが、我々の身の回りでは意外にもDXが用いられています。例えば、勤怠管理システム、クラウド上でのデータ共有、単純作業の自動化などがあげられます。このように、複雑だと思われているDXは親しい存在でもあるのです。
経済産業省とDX
経済産業省は日本企業の経営者に向けてDX推進を促しています。経済産業省が2018年12月に公表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXの重要性と導入プロセスを明確化しています。また、本ガイドラインにおけるDXの定義は以下のとおりです。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
つまり、DXの本質は「変革」であり、同時に競争優位性を高めて企業を存続させることでもあります。各企業がこのDXにしっかりと向き合い、事業の発展を着実に目指していくことが大切です。
建築業界におけるDX
ここまで、DXの基礎概要を大まかに解説しました。続いて建設業界におけるDXについてみてきましょう。
建設とデジタル技術を組み合わせた造語として「ConTech(コンテック)」と呼ばれています。ConTechの定義や活用の範囲は明確に定められていませんが、今後の建設業界において非常にキーポイントとなるでしょう。
建設業界にDXを導入することにより、紙ベースで管理報告を行う事務処理の負荷が軽減・可視化され、業務が効率化されます。それと同時に、作業員の人員調達問題を解決できるはずです。
このように、天候やトラブルで現場の状況が変化しやすい建築プロジェクトにとって、人員管理におけるデジタル化の影響は凄まじく、専門業者の柔軟かつ迅速なアサインが実現可能となります。
DXにより生産性を高める3つの建設工程:BIMとの関連性
前途のとおり、建設業界におけるDXは非常に重要な存在です。DXを導入することでさまざまな領域で効率化を図れるでしょう。それでは次に、DXにより生産性を高める建設工程を3つお話します。建設現場とDXの関連性を深くまで理解できるでしょう。
建設基準・契約
許認可のデジタル化により、申請や取得プロセスを合理化できます。また、建築業界のDXである「BIM」を活用することで、建築物の設計初期に建設基準を容易にチェックすることが可能です。
さらに、発注者と請負者の契約においてもDXによる変化が現れます。従来のような発注者側が請負側を一方的に判断するやり方ではなく、お互いが納得して取り組む「コラボレーション型」のアプローチに切り替わります。それにより、コストだけに注目した価格競争入札のような事態を回避し、成果に応じたインセンティブを実施することができます。
設計・調達
BIMを活用することで建築物の設計や調達を効率化できます。また、設計図の3Dモデルを作成してチーム全体で共有することにより、プロジェクトにおける勘違いやミスが起こりづらくなると同時に、よりクオリティの高い結果に期待ができます。
さらに、調達計画を改善すれば高い流動によって透明性を高め、物流の遅延を減らすことが可能となります。
現場作業
DXによる影響は設計段階だけでなく、現場作業にまで及ぼします。わかりやすく厳密な作業計画を作成することで、専門知識を持たない作業員でも効率的な作業が行えます。
また、現場作業の開始前に確認業務をすべて完了させることにより、プロジェクトにかかわる人数を調整して人件費の無駄を減らせます。
まとめ
本記事では、DXの基礎概要、建築業界におけるDXについて解説しました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を用いて業務やビジネスモデルを大きく変革させることであり、業務を効率化させるだけでなく大規模な変革を目指します。
建設業界では建設とデジタル技術を組み合わせたものを「ConTech(コンテック)」と呼んでおり、DXに対して注目が集まっています。設計段階でDXを導入することにより、建設工程の無駄やリスクを軽減することが可能です。建設業界のDXを推進するためにも、本記事の内容を参考にしてDXの理解を深めていきましょう。