BIM(ビム)とは?建築ビジネスでの活用法と3つのメリットを紹介
新国立競技場の建設を請け負った大成建設ってどんな会社!?
2021.08.22

BIMwork
「大成建設」は、東京2020オリンピックのメイン会場である「新国立競技場」の建設に携わったことで知られる会社です。業界のなかでも数多くの実績を積み続けている大成建設がどのような会社なのか、興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
今回はその大成建設について、詳しく紹介します。
(出典 大成建設 https://www.taisei.co.jp/)
目次
大成建設はこんな会社!歴史や理念、将来に向けた目標などを紹介
大成建設は1873年、「大倉組商会」として大倉喜八郎によって創立されました。その後、1887年に日本資本主義の父と称される渋沢栄一、藤田伝三郎とともに「有限責任日本土木会社」を創立し、日本における会社組織での土木建設業をスタートさせています。1892年にこの有限責任日本土木会社が解散した折、大倉土木組として大倉喜八郎が事業継承し、1911年には株式会社大倉組に合併されました。大正時代に入り、1917年には株式会社大倉組より株式会社大倉土木組として再び独立し、何度かの社名変更を経て、戦後の1946に現在の大成建設株式会社となっています。2021年時点では国内の支店が15箇所、営業所等が45箇所あるほか、海外にも拠点を展開しています。
多くのグループ会社を持つ大成建設では、グループ共通のスローガンとして「For a Lively World」、グループ理念として「人がいきいきとする環境を創造する」を掲げています。「自然との調和の中で、安全・安心で魅力ある空間と豊かな価値を生み出す」という取り組みは、まさに周囲の自然と調和する「杜のスタジアム」というコンセプトを持つ新国立競技場の建設ともマッチしていました。
グループの理念を追求するためとして、さらに「自由闊達」と「価値創造」、「伝統進化」という3つの大成スピリットも掲げています。自由闊達というスピリットのもと、刺激を与え合う活発な自己主張ができる環境が保たれ、結果的に企業の成長にもつながってきました。社員が働きやすい環境づくりのサポート体制を実現するため、ワークライフバランスの実現や女性社員、外国籍社員の育成支援等への取り組みに力を入れている点も特徴的です。その結果、2014年には経済産業省主宰の「ダイバーシティ経営企業100選」や厚生労働省主宰の「イクメン企業アワード2016」に選ばれています。
大成建設では中長期的に目指す姿として、「進化し続けるThe CDE3(キューブ)カンパニー」という計画を発表しました。この計画では新型コロナウイルスの感染拡大によって浮き彫りになった外部環境や構造変化への対応などの課題に対し、先駆的に取り組んでいくことが盛り込まれています。
(出典 大成建設 https://www.taisei.co.jp/assets/about_us/ir/data/pdf/2021050601.pdf)
建築業界におけるデジタル技術とデータ活用に取り組んでいる大成建設
さまざまな分野で技術革新が進んでいるなか、建築業界においても二次元CADや三次元CADに加え、BIM(Building Information Modeling)が登場しています。BIMは設計だけではなく、施工から完成後の維持管理に至るまで、建築のライフサイクルすべての段階で蓄積された情報を活用できるモデルです。情報が連動しているため、どこかに修正を加えればリアルタイムですべてが修正され、業務の効率化が可能になるとともに、情報の不整合が起きません。大成建設でもすでに導入され、建築業界での情報のあり方に変革が進んでいます。
大成建設が掲げる中長期計画の外部環境・構造変化では、大きく「業界再編圧力」と「環境・社会課題を事業を通じて解決する方向へ」、「DXが競争力を左右する時代へ」という3つの目標が掲げられています。そのうちの「DXが競争力を左右する時代へ」は、まさに発展途上にあるデジタル技術とデータ活用を建築業界に適用していくことです。
実際に大成建設ではすでにBIMに取り組み、建物の運用管理データを統合管理する「LifeCycleOS」を業界で初めて開発しました。LifeCycleOSを活用することで、施設運営の最適化が可能です。たとえば、商業施設の運用状況をリアルタイムで見える化できるほか、物流施設で稼働している機械の状況も統合管理できます。また、エネルギーを見える化することで、状況に合わせてリアルタイムに空調制御することも可能です。さらに、大成建設の社内で蓄積してきたBIM規格のノウハウは、応用技術株式会社の協力のもと「BooT.one」として広く提供もされるようになりました。
(出典 大成建設 https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2021/210201_5074.html)
さまざまな社会貢献活動にも取り組んでいる大成建設
大成建設の理念体系では、グループ全体の理念の下に自由闊達、価値創造、伝統進化の大成スピリットがあり、さらに下部を支える行動指針も設けています。そのなかには「環境の保全と創造への取り組み」や「グローバルな事業活動の取り組み」、「地域社会とのコミュニケーション」などが含まれています。世界規模で対応が迫られている環境問題やエネルギー問題について、大成建設でも中期経営計画の課題として取り上げられました。実際に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする目標やカーボンニュートラルなど、環境分野のフロントライナーを目指した取り組みが進んでいます。
地域社会とのコミュニケーションに関しても、事業を通じて社会貢献するための社会貢献方針が2018年に定められました。環境保全に対して継続的な助成を行っているほか、学術・文化の分野では外国人留学生に体する奨学金制度を整えたり、研究者を支援するための財団を設立したりしています。他の企業や大学、地域のコミュニティとも連携しながら、地域イベントへの参加や里山保全活動、清掃活動ボランティアなどを含めて多彩な活動を行っており、2019年度の社会貢献支出額は8億円を超える規模です。企業規模の活動だけではなく、社員が個人でボランティア活動に取り組めるように、ボランティア休暇制度も取り入れています。
歴史があるのはもちろん、最先端の取り組みを行う大成建設
大成建設は明治時代に創業した歴史のある会社であるとともに、現在でも最先端の取り組みで業界を引っ張っていく存在です。BIMに関しても、蓄積したノウハウをもとにしたシステムの開発も実現しました。それだけではなく、社員もいきいき働ける職場環境を整え、社会貢献活動にも力を入れています。若手社員でも自由に意見を出しながら挑戦し、成長を促しつつ、企業としての実績も積み上げている会社です。