BIM(ビム)とは?建築ビジネスでの活用法と3つのメリットを紹介
BIMの人気ソフトウェアとファイル共有のための拡張子を解説!
2021.08.22

BIMwork
BIMソフトウェアを導入する際、課題となってくるのは他社とのファイル共有です。
そこで、今回はBIMの主なソフトウェアを紹介したうえで、BIMデータを共有するために覚えておきたい拡張子について解説していきます。
BIMで人気の高いソフトウェア
はじめに、よく使われている人気の高いBIMソフトウェアをいくつか紹介していきます。それぞれに特長や対応OSなどが異なるため、これから新たにBIMを始める際の比較をしてみるといいかもしれません。
Revit
Revitは、AutoCADなどの図面作成ソフトウェアを提供しているAutodeskが開発したBIMソフトウェアです。AutoCADは導入している設計事務所も多く、すでに使用経験がある人は移行しやすいのではないでしょうか。反復作業の自動化を図ることができ、その分作業にかかる時間の削減を可能にしてくれます。モデルの開発段階に合わせ、平面図や断面図、立面図の自動更新も可能です。Revitの主な機能には、代替え案をスピーディーに作成するジェネレーティブデザインや異なる分野の作業の保存が可能なワークシェアリングなどがあります。対応可能OSは、2021年8月現在でWindows専用となっています。
Archicad
Archicadは、ハンガリーのGRAPHISOFT社が提供している建築用のBIMソフトウェアです。1982年に創立したGRAPHISOFT社は、初代Macintosh向けとして開発したArchicadを発売しています。これは、製図のデジタル化を見据えたもので、建築設計において革新的なできごとといえるでしょう。CADソフトウェアの開発が始まりですが、現代においてArchicadはBIMソフトウェアとして100カ国以上の国で使用されています。Archicadは、わかりやすいアイコンと直感的な操作でBIMへの移行を考えている設計者が導入しやすいという特長を持っています。Archicadの対応OSはmacOSとWindowsです。
GLOOBE
GLOOBEは、日本初として知られるBIMソフトウェアで、日本国内の建築基準法に対応しやすいという特長を備えています。2021年にリリースされたGLOOBEではCGプログラムと施工支援が新たに加えられ、さらに設計支援機能の強化が図られています。法改正に対応できる機能を強化し、検地基準法に基づいた設計やスムーズが確認申請も可能です。名称もGLOOBE Architectと新たにし、仮設・土木計画をBIMモデル化するためのGLOOBE Constructionという新たなラインナップも登場しています。GLOOBEは体験版も出ており、対応可能なOSは2021年時点でWindowsです。
(出典 福井コンピュータ https://archi.fukuicompu.co.jp/products/gloobe/)
Vectorworks
Vectorworksは、MiniCadが登場した頃から少しずつアップグレードを重ねてきたBIMソフトウェアです。そのため、2D機能が充実しているという特長が見られます。2DでのCADソフトから移行を考えている人も、使い勝手がよく導入しやすいかもしれません。長く愛用しているユーザーも多いソフトウェアです。Vectorworksは、毎年アップグレードするたびにさまざまな機能が追加され、強化されてきました。そして、2021年版では2020年版ではなかった3Dモデリングの強化やExcel形式ファイルの取り出しと取り込み、クイック検索の搭載などが新たに加わっています。Vectorworksは、WindowsとmacOSに対応可能です。
(出典 エーアンドエー株式会社 https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2021/)
BIMファイルを共有するための拡張子とは?
ここで紹介したBIMのCADソフトウェアは、それぞれに複数の拡張子を持っています。同じソフトウェアを保有しているなら、ファイル形式にとらわれることなく共有は可能です。または、BIMファイルを社内だけで利用する場合もファイル形式を気にすることはないでしょう。しかし、他社とのスムーズな共有を考えたとき、異なるソフトウェアでBIMファイルを開く可能性を念頭におかなければなりません。そうなると、互換性があるかどうかは非常に重要になってきます。
BIMファイルを共有するための拡張子としてよく使われているのはIFCです。IFCとはIndustry Foundation Classesを略したもので、中立的なCADデータモデルのフォーマットとして作られています。例えば、画像データやテキストファイルを共有する際、PDFやJPGといった拡張子で保存しておきますよね。IFCも、それらと同じような感覚で使うことができます。ただし、IFCの場合はこうした他の拡張子よりもさらに高度で繊細であるといっていいでしょう。
なぜなら、JPGやPDFはデータを開いて中身を確認することはできますが、もとのソフトウェアで処理された機能まで共有することは難しいためです。BIMは、単なる2Dの図面データではありません。例えば、入り口なら寸法や形状の他に素材やその品番に数量など、実際の仕様がそのまま記録されます。さらに、3Dデータとして仕上がりのイメージを確認することもできます。これらを含めた入り口のデータの共有を可能にしてくれるのがIFCフォーマットなのです。
IFCは3Dデータであり、建物全体に関するさまざまな情報を伝えることができます。実際にどのような情報を保有できるのか見ていきましょう。まず、敷地や建物、要素、階、プロジェクトといった建築物の階層です。そして壁や柱、梁、階段、屋根、ゾーンなど要素タイプ、さらにジオメトリやレイヤーシステムなども保有できます。他には、色や材質などのプロパティも情報として伝えることが可能です。
IFCフォーマットは、1995年にソフトウェア会社などの協力で開発されました。開発の目的は、建設業界においてスムーズで忠実なデータの共有を支援するためです。1995年当初にIFCを開発したのはInternational Alliance for Interoperabilityですが、2005年からはbuildingSMART Internationalが開発を進めるとともに維持管理を行っています。そして、各国にあるbuildingSMART Internationalの支部によってIFCの導入を促進しています。
(出典 Autodesk
https://damassets.autodesk.net/content/dam/autodesk/draftr/2528/revit-ifc-handbook-ja.pdf)
適切な拡張子の使用でBIMデータの共有をスムーズに!
BIMファイルは、単なる2Dでのデータではない分、いかに多くの情報を保有した状態で共有できるかがポイントとなってきます。適切な拡張子を用いて、BIMファイルをスムーズに共有しましょう。