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BIMのメリット&デメリットを現役BIMオペレーターが解説

BIMとは?BIMとは、コンピューター上に建築物の3Dモデルを作成し、設備設計や機械設定などの基本情報をデータベース化して活用する手法のことです。「Building(建物を)Information(情報で)Modeling(形成する)」の頭文字を取って「BIM」と呼びます。コンピューター上に建築物の3Dモデルを作成することにより、施工から維持管理、避難計画といった細かい情報をシミュレーションできます。「図面や表等のデータを結合して建築物を完成させる」という従来の設計方法から、「1つの結合データベースから1つの建築物を作る」という方法に変化しました。なお、BIMの導入については国土交通省も推進しています。国土交通省はBIMの効果を検証するため、平成22年の官庁営繕事業における3つの事業でBIMを試験的に導入しました。その結果を取りまとめたものが「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作製及び利用に関するガイドライン」として、平成26年に公表されました。 (image) 世界のBIM普及率は約80%と推定され、中堅企業(16~50人)、大企業(51人以上)の普及率はそれぞれ80%、78%と最も高いです[1][2]。小規模な企業の導入率は3分の2と低く[2]、BIMを使用する英国の建設専門家は2011年の13%から2020年には73%に上昇すると予想しています[3]。日本の専門家のBIM導入率は54%です[3]。BIMの世界的な成長率は今後も上昇し続けることが予想されます[4]。[1]https://agacad.com/blog/global-bim-survey-u-s-market-is-maturing-as-advances-wake-imaginations[2]https://www.geospatialworld.net/article/bim-adoption-around-the-world-how-good-are-we[3]https://business.bimobject.com/blog/statistics-proving-bim-means-business[4]https://www.oneistox.com/blog/bim-global-growth-rateCADとの違い従来のCADは主に平面である2Dの図面を作成します。もしCADで3Dモデルを設計したい場合は最初に2Dの平面図を作成したのち、2D図面をもとに3Dモデルを作成する必要があります。そのため、CADで3Dモデルの設計図を作成する際は時間を要してしまいます。さらに設計者の技術に依存することから、属人的になりやすいという課題を抱えています。一方、BIMでは最初から3Dモデルを作成することが可能です。3Dの各パーツを直接組み合わせることにより、3Dモデルの図面作成が非常にスムーズです。また、BIMであれば3Dモデルと2Dモデルが連動しているため、3Dから2Dへの切り替えが容易に行えます。(image) BIMを導入する3つのメリットここまで、BIMの基礎概要とCADの違いについて解説しました。続いてBIMを導入するメリットを3つみていきましょう。以下のメリットを知ることで、自社にBIMを導入すべきか判断できるはずです。設計や管理の手間を省けるまたBIMは図面のデータ修正だけでなく、資材の再調達やスケジュール管理による手戻りを防止できます。これらのことから、BIMを導入すれば設計や管理の省略可につながるはずです。BIMを導入するメリット1つ目は、設計や管理の手間を省けることです。BIMの3Dモデルには構造設計や設備設計などの情報が含まれており、コンピューター上ですべてのデータが連動しています。そのため仮に1箇所だけデータ修正をした場合、連動しているすべてのデータが自動的に修正されます。建設前のプロジェクトの可視化BIMによる可視化のメリットとしては、現場でのコラボレーションやコミュニケーションの向上、モデルベースのコスト見積もり、プレコンにおけるプロジェクトの可視化、建設プロジェクトのレイアウトや空間の相互関係の理解、設計チーム、クライアント、関係者の設計プロセスの改善、コスト削減と効率化、コミュニケーションの改善と建物の品質向上、関係者のリアルな可視化によるプロジェクトの明確化、などが挙げられます。[5][5] https://bim360resources.autodesk.com/connect-construct/top-10-benefits-of-bim-in-construction高品質のアウトプットBIMは、作業完了時間の短縮、ミスの発生数の削減、プレハブ材を使用する箇所の特定によるコスト削減などのアウトプットの改善のほか、コスト削減と効率の向上、コミュニケーションの改善と建物の品質向上、異なる材料の費用対効果の比較による費用の最適化、建築プロジェクトのあらゆるレベルの強化、建築物の照明要素の検出向上のために利用できるBIMデータの活用などが期待できます。 (image) BIMを導入する2つのデメリットBIMを導入するメリットは理解できたでしょうか?次に、反対のデメリットについて解説していきます。メリット・デメリットの両方を理解することで、BIMの必要性がより明確になるはずです。高価なモデリングソフトウェアと初期投資BIMの導入にはコストがかかります。VectorWorksとArchiCADは、ソフトウェアライセンス料が4,500ドル以下、オートデスクのRevit 2023は、3年プランが8,025ドル、年間プランが2,675ドルという価格設定があります。ただしいずれのソフトウェアも月額サブスクリプションでの購入が可能なので、1ヶ月、1ライセンスから始めることも可能です。おおよその目安として、50,000円/人・月くらいの費用となります。また、BIMを有効的に活用するためには、専門知識を持った優秀なオペレータが必要不可欠です。オペレータの採用コストや育成コストなども発生することから、BIMの導入には一定の初期コストが懸念されます。現場で利用できない場合があるBIMを導入するデメリット2つ目は、現場で利用できない場合があることです。BIMの3Dモデルはデータ容量が非常に大きく、ダウンロードする際に時間を要することがあります。また、パソコンのスペックが低ければ、3Dモデルの確認動作が重くなる可能性も考えられます。さらに土木分野との連携が遅れていることから、有効的に活用できない場面が少なからずあります。このように「BIMを導入したのに現場でうまく利用できない」といったデメリットが考えられます。まとめBIMはコンピューター上に建築物の3Dモデルを作成し、建築物の基本情報をデータベース化して活用する手法であり、日本での普及率は少しずつ向上しています。このBIMを導入することにより、「設計や管理の手間を省ける」「イメージを共有しやすい」「法律上の制限を可視化できる」といった、3つのメリットが考えられます。しかし、いくつかのデメリットも存在するため、両方をしっかり理解した上で検討しなければなりません。ぜひ本記事を参考にして、BIMの理解を深めて検討してみてください。↓こちらも参考にどうぞ!<iframe sandbox="allow-popups allow-scripts allow-modals allow-forms allow-same-origin" style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="//rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=bim041-22&language=ja_JP&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=as_ss_li_til&asins=4534044992&linkId=483469a1b4526aa88196c74064fb97d5"></iframe>

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CADvsBIM 徹底比較

BIMとは?BIM (Building Information Modeling)は、建築物の設計、建設、運用に関する情報をデジタルモデルによって管理する技術です。BIMは、建築物に関連する様々な情報(設計図、材料データ、コスト情報など)を一元管理することで、効率的な建設のプロセスを実現します。同時に国土交通省もBIMの導入を推進しており、効果を実証するための試験的導入を数度にわたって行っています。また、試験の結果をまとめた「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作製及び利用に関するガイドライン」を平成26年に公表しています。【比較】BIMとCADの違いBIMのメリット・ビルド前に建物のシミュレーションを行い、問題点を予測・修正することができます。・配管、配電、換気などのシステムを含めた詳細なモデルを作成することができます。・建設と運用のライフサイクル全体にわたってデータを管理することができます。BIMのデメリット・導入にはCADとくらべて高額なコストがかかります。・学習コストが高く、技術者を必要とするため導入に時間がかかります。・ファイル形式が業界標準化されていないため、他社とのデータ共有が困難な場合があります。CADのメリット・導入・学習コストが低いため、手軽に導入することができます。・長年使用されているため、技術者の豊富な人材が存在します。・シンプルなデータであるため多くのツールやアプリケーションが利用可能であり、幅広い用途に対応することができます。CADのデメリット・現実世界で3Dで建設される建築物を2Dで検討するため、アウトプットのクオリティが低い場合があります。・システムの整合性が低いため、問題点が発生しにくいものを見逃す可能性があります。・建設と運用のライフサイクル全体にわたってデータを管理することができない場合があります。 (image) BIMのメリットとデメリット深掘りBIMは、建築業界において多くのメリットを持つものです。このテクノロジーは、建築物に関連する様々な情報を一元管理することができるとともに、設計から工事までの作業を効率的に行うことができるというメリットをもたらします。以下に、BIMのメリットについて詳しく説明します。情報の統合: BIMは、建築物に関連する様々な情報(設計図、材料データ、コスト情報など)を一元管理することができます。これにより、建築物のライフサイクル全体において情報が効率的に共有され、同じ情報を繰り返し作成することがなくなります。これは、プロジェクトのスムーズな進行に大きく寄与することでしょう。設計の修正: BIMによって作られたデジタルモデルは、設計段階から工事現場までの作業において修正が容易に行えます。これにより、設計の修正に要する時間やコストが削減されます。また、設計修正作業を行う際に生じるコミュニケーションミスも防ぐことができます。効率的な工事: BIMによって作られたデジタルモデルを利用することで、工事現場での効率的な施工が実現されます。また、デジタルモデルに含まれる情報を元に、工事現場での誤りや問題点を未然に防ぐことができます。これにより、工事のスケジュールや予算の管理がより効率的になります。しかしBIMにはデメリットもあります。BIMに関しては、関係者の間で理解に大きな差が生じることがあります。BIMに関わる技術やプロセスは、それらに精通していない人にとっては理解するのが難しいため、適切なトレーニングや教育が不可欠となります。特に、従来のCAD技術で訓練を受けてきた高齢の作業員にとっては、難しいことかもしれません。BIMのもう一つの問題は、その技術を導入するために必要な投資コストの高さです。BIMソフトウェアの購入費用だけでなく、技術サポートやアップグレードに関連する継続的なコストも発生します。特に、BIMに投資するリソースがない中小企業では、これらのコストはすぐに膨らんでしまいます。もう一つの重要な考慮点は、BIMを使いこなすために必要な時間とスキルです。従来のCADとは異なり、BIMでは作業者が新しい技術やプロセスを学ぶ必要があるため、時間がかかり、多大なトレーニングが必要になる可能性があります。さらに、作業員には、これまでとは異なる新しい仕事のやり方に適応する能力が必要になります。最後に、フォーマットの標準化の問題があります。BIMは広く使われている技術ですが、まだ標準化されていない様々なフォーマットが存在します。そのため、異なるソフトウェアシステム間で互換性の問題が発生し、ユーザーにとって大きな課題となる可能性があります。結論として、BIMは建設・設計業界に革命をもたらす可能性がある一方で、その導入に伴う課題を認識することが重要です。BIMのフリーソフトCADとBIMの違いは理解できたでしょうか?続いて、BIMのフリーソフトについて解説していきます。現状、実務レベルで活用できる日本語対応のBIMフリーソフトはありません。BIMのソフトウェアは高度な技術が用いられているため、無料で提供されているものが少ないのです。また、BIMは新しい部類のソフトウェアであることから、導入コストが高くなりやすい傾向にあります。とはいえ、無料体験版として一定期間のみフリーで使用できるソフトウェアも存在します。「BIMを1度試してみたい」という方は無料体験版の利用を検討してみてください。なお、BIMのソフトウェアによっては学生版ライセンスというものもあります。学生期間中に限り無料で使用できるため、学生であればぜひ試してみてください。BIMは基本的に高額なソフトウェアです。BIMの使用感や操作感を理解するためにも、まずは無料体験版や学生版ライセンスで試してみることをおすすめします。BIMの主要ソフトを比較BIMは無料体験版のソフトウェアが一部あるものの、フリーソフトはほとんど存在しないことを解説しました。最後にBIMの主要ソフトを比較検討していきましょう。自身にピッタリのBIMをみつけるためにも、ぜひ確認してみてください。REVIT(AUTODESK REVIT)「Revit」はアメリカの「オートデスク株式会社」が開発したBIMソフトウェアであり、数あるソフトウェアのなかで最も高いシェア率を誇ります。 (image) Revitを使用すれば複雑な3Dモデルの作成はもちろん、高度なシミュレーション、パフォーマンス最適の解析などが可能です。また、ワークシェアリングを用いればリアルタイムで複数人の同時作業が行えるため、チーム全体で取り組むようなプロジェクトに向いています。• 3年ごとのお支払い:1,050,000円(税別)• 1年ごとのお支払い:389,000円(税別)• 1ヶ月ごとのお支払い:49,000円(税別)ARCHICAD「ARCHICAD」は直感的に操作しやすいBIMのソフトウェアです。直感的に操作できることから専門技術をあまり必要とせず、複雑な形状を簡単に作成できます。 (image) また、Revitと同じように1つの案件を複数名で共同作業することが可能であり、タブレット端末からの確認や「Google Cardboard」に対応した端末からのVR体験も行えます。これらのことより、「ARCHICAD」は使いやすさにフォーカスしたBIMソフトウェアだといえるでしょう。• ARCHICAD:840,000円(税別)• ARCHICAD Solo:345,000円(税別)GLOOBE「GLOOBE」は、日本の設計手法や建築基準法に対応した日本発のBIMソフトウェアです。自由度の高いデザイン機能やチーム設計に対応しており、日本国内の設計に最適化されたシステムを扱えます。そのほかにも3Dモデルと背景写真を合成できたり、機能やモバイルデータの共有が可能であったりなど、「GLOOBE」では多彩な機能を用いることができます。 (image) • GLOOBE Architect 基本:650,000円(税別)Vectorworks「Vectorworks」は「米Nemetschek Vectorworks社」が開発し、日本では「エーアンドエー株式会社」が販売しているCADソフトウェアとなります。 (image) 「Vectorworks」では2Dで作成した図面を持ち上げて3Dモデルにそのまま組み換えられるほか、3Dモデルの形状をひねったり曲げたりするツールが搭載されています。製品のラインアップは大きく分けて5種類に分類されており、自身のデザインスキルや目的に合わせて製品を選ぶことが可能です。• Vectorworks Designer:527,000円(税別)• Vectorworks Architect:416,000円(税別)• Vectorworks Landmark:416,000円(税別)• Vectorworks Spotlight:416,000円(税別)• Vectorworks Fundamentals:305,000円(税別)まとめ本記事では、従来のCADとBIMの比較、BIMの主要ソフトの金額について解説しました。BIMとはコンピューター上で3Dの建築モデルを作成する仕組みのことであり、2Dの平面図がそれぞれ独立しているCADとは大きく異なります。また、CADは2Dモデルから3Dモデルに組み替える作業が必要である一方、BIMでは最初から3Dモデルを作成できるため2Dモデルは自動生成されます。これからBIMソフトウェアの導入を検討している方は、ぜひ従来のCADとBIMの違いを理解し、自社にとっての有用性を確認してみてください。また、本記事で紹介したBIMの主要ツールをご参照いただければ幸いです。↓こちらも参考にどうぞ!<iframe sandbox="allow-popups allow-scripts allow-modals allow-forms allow-same-origin" style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="//rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=bim041-22&language=ja_JP&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=as_ss_li_til&asins=4296200801&linkId=9a6cd04164f6eb6dd37aa77aa43efe4e"></iframe>

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BIM(ビム)とは?建築ビジネスでの活用法と3つのメリットを紹介

BIM(ビム)とは BIMとは?BIMとは、Building Information Modelingの略で、3Dモデルを用いて建物の設計、建設、管理を支援するプロセスです。 建築ビジネスにおいて様々な形で活用することができ、多くのメリットを得ることができます。 このブログでは、BIMとは何か、どのように使えるのか、そしてBIMを使い始めるとビジネスで体験できる3つのメリットについて説明します。 導入するメリットをご紹介していきます。BIMの活用法BIMを導入することで、これまで2Dで表現されていた図面や設計図書などが、視認性の高い3Dモデルで表現できるようになります。3Dのデジタルデータをもとにした整合性がとれた図面や設計図書が作成できるため、プロジェクトを進める際に、可視化された空間イメージを関係者やクライアントと共有できます。設計作業においては、BIMのデジタルデータを駆使した設計ツールを利用でき、コンクリートや鋼構造設計の解析・分析に加えて、細部まで行き届いた設計を行うことができます。BIMのひとつで、設計・施工・エンジニアリングの作業データを一元管理できるため、異なる専門分野のメンバーが大勢集まるようなプロジェクトを進める際にも、大いに役立つでしょう。BIMのメリット建築における設計から施工、維持管理まで幅広く活用できるBIMにはさまざまなメリットがあります。なぜ、BIMが注目されているのかがわかる、3つのメリットをご紹介していきます。建築プロジェクトを進める際に欠かせないのが関係者とのコミュニケーションですが、BIMで作成した3Dモデルのデータを共有することで、円滑化を図ることができます。従来の平面で描かれた図面を使った場合、人によっては図面を理解することが難しくなり、実際に完成しないとわからないという問題もありました。そのような問題を解決してくれるのがBIMなのです。BIMなら、整合性の取れた視認性の高い3Dモデルで建物の情報を細部まで把握できるため、設計者のイメージをプロジェクト内で共有することが容易となります。設計事務所や設備事務所、ゼネコン、クライアントなどとの情報共有を円滑にするソリューションであり、施工主へのプレゼンテーションなどのシーンでも有効活用できます。(image) (image) 建築に関するあらゆるデータが一元管理されるため、特定の作業工程で起こった不具合の対処もスムーズになります。これまでは、手作業による図面やデータ修正が必要になり、不具合が起こった工程だけではなく、その後の工程や予算の変更を余儀なくされていました。BIMなら、全体的な作業工程が自動的に修正されるため、修正に無駄な時間を削がれることがないのです。 BIMで3Dモデルを作成した場合、照明器具の配置や空調の効果解析などのシミュレーションが可能となります。これまで、構造解析を専門業者に依頼していた場合、BIMがその役割を担えるということです。設計初期に各種シミュレーションを行っておくことで、設計が終わった後に発見された天井や壁の干渉などを修正する「手戻り」の手間も省けます。BIMは、設計・施工の早い段階から従来の作業を劇的に効率化させ、作業時間の短縮とコスト削減を実現させます。(image) まとめ BIM(ビム)は、建築業界の業務効率化、ビジネスモデルの改革において、今まさに注目されているITソリューションです。BIMで作成した建物の3Dモデルは、従来の図面よりも視認性が非常に優れており、プロジェクトの関係者やクライアントとの情報共有・コミュニケーションを円滑にします。あらゆる作業工程のデータを一元管理できるため、特定の工程で起こった不具合も速やかに対処できます。また、設計初期にBIMで各種シミュレーションを行っておくことで、大きなコストが発生する手戻りを回避することが可能です。高度なIT技術の導入による業務効率化や、ビジネス環境の変化に対応できる競争力を高めるDX推進は、建築業界においても大きなテーマとなっています。BIMは、DX推進の有効な打ち手となるため、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。1. 設計の可視化によるコミュニケーションの円滑化2. データの一元管理による不具合のスムーズな修正3. 早めのシミュレーションで手戻りのリスクヘッジが可能↓こちらも参考にどうぞ!<iframe sandbox="allow-popups allow-scripts allow-modals allow-forms allow-same-origin" style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="//rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=bim041-22&language=ja_JP&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=as_ss_li_til&asins=4798056588&linkId=e9b3d03c8c75dcc189296677a54368cf"></iframe>

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知らないと一発アウトなBIMオペレーター基本用語

BIMオペレーターとは?BIMオペレーターとは、BIMソフトウェアを活用して建築物の3Dモデルを作成する職業のことを指します。CADオペレーターのBIM版であり、業務内容には共通点が非常に多いです。BIMオペレーターとは、建築の世界で重要な役割を担う存在です! 3Dモデル作成から設計補助、構造のみのモデリング、建築用データ作成・共有まで、多岐に渡る仕事内容があります。従来のCADオペレーターがキャリアチェンジしたり兼業することも多い、今注目されている職業なのです。しかし、一定のスキルや経験が求められることから、BIMオペレーターとして仕事をするにはチャレンジ精神が必要です!知らないとアウトなBIMオペレーター7つの基本用語BIMオペレーターの基礎概要については理解できたでしょうか?続いて、BIMオペレーターが知っておくべき基本用語を7つ紹介します。これからBIMオペレーターを目指す方は把握しておきましょう。1. BIMモデル・BIMプロジェクトBIMオペレーターであれば、「BIMモデル」や「BIMプロジェクト」という用語は押さえておきましょう。これらはBIMを用いた3Dモデルのことであり、BIMオペレーターではよく使われる用語の1つです。なお、ソフトウェアによってはBIMモデルのことをBIMプロジェクトと呼ぶこともあります。クライアントが「BIMプロジェクト」といった際は認識の相違が起こりやすいため、「BIMを使ったプロジェクト」と「BIMモデルそのもの」どちらを指しているのか必ず明らかにしましょう。2. 設計BIM・施工BIM・運用BIM「BIM」と一言でいっても、目的ごとに「設計BIM」「施工BIM」「運用BIM」に分類されます。それぞれのBIMに適正な方法で活用しなければ期待どおりの効果は得られません。このことから、自身がどのBIMを活用するのか事前に決めておく必要があります。BIMオペレーターとして仕事をスムーズに進めるためにも、各種BIMの知識を押さえておきましょう。3. BIMガイドライン「BIMガイドライン」とは、国土交通省が平成26年3月19日に公表した「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成及び利用に関するガイドライン」のことです。このBIMガイドラインでは、BIMモデル作成の基本的な考え方が示されています。 (image) (引用 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk6_000094.html)なぜ国土交通省がBIMガイドラインを作成したかというと、BIMモデルを作成したときに認識の相違を招かないためです。BIMガイドラインによってBIMに対する統一を図ることで、BIMオペレーターとクライアントのやり取りが円滑になります。なお、BIMガイドラインは生産性向上を図る「i-Construction」の推進に向けて、平成30年8月1日に改定されました。4. 干渉チェック(ハードクラッシュ)BIMオペレーターを務めるにあたっては、「干渉チェック」を知っておくべきです。干渉チェックとは、BIMを用いて建築物の3Dモデルを作成した際に、明らかな不具合やトラブルがないか確認する作業のことです。建築物の設計は、意匠設計と構造設計、設備設計の3つに分けてBIMモデルを作成するケースが一般的です。それぞれの分野ごとに作成したBIMモデルを1つの建物として組み合わせるときに不具合が発生しやすい傾向にあります。このように、BIMでは高度な技術を要する場面で不具合が起こりやすいため、干渉チェックが重要となります。 (image) 5. DX(デジタルトランスフォーメーション)現在、多方面からよく耳にする「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。このDXとは、デジタル技術を用いたビジネスモデルの変革のことを指します。建設業界でもDX化が課題となっており、BIMモデルを用いた建設物のシミュレーションがキーポイントとなります。建設業界のDXを推進させるためにも、BIMモデルを活用した確認・検討による業務効率化が業界全体に求められています。 (image) (引用 総務省 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd102200.html)6. LOD(レベル・オブ・デベロップメント)BIMオペレーター初心者にはイメージが湧きづらい「LOD」ですが、BIMの仕事にかかわるのであれば知っておきましょう。LODは、建築物を3Dモデルとして作成する際の詳細度を示します。LODレベルが上昇すればより詳しいBIMモデルであり、反対にLODレベルが低下すると抽象的なBIMモデルとなります。BIMオペレーターはこのLODを用いる場面が少なからずあるため、事前に理解しておくことをおすすめします。7. Revit・ArchiCADBIMオペレーターであれば、「Revit」と「ArchiCAD」について知っておくべきです。これら2つは日本だけに留まらず、世界的に大きなシェアを占めているBIMのソフトウェアです。基本的には務めている会社のBIMソフトウェアを利用するため、そこまで頻繁に「Revit」や「ArchiCAD」という用語は使われません。とはいえ、実務的に利用されているBIMソフトウェアのなかでは非常に有名であるため、BIMオペレーターであれば覚えておきましょう。まとめここまで、BIMオペレーターの基礎概要、知らないとアウトな基本用語を7つ解説しました。BIMオペレーターとは、建築物の3Dモデルを作り上げるためのキャリアです!CADオペレーターと同じような仕事をすることが多いですが、この仕事には絶対に知っておくべき基本用語があります。この記事では、BIMオペレーターに必要なキーワードを説明していますので、必ずチェックしてから挑戦してみましょう!↓こちらもおすすめです!<iframe sandbox="allow-popups allow-scripts allow-modals allow-forms allow-same-origin" style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="//rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=bim041-22&language=ja_JP&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=as_ss_li_til&asins=B01LPO1DYQ&linkId=665f99072ce98dd1e3ff1474f87e8556"></iframe>

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出来るBIMオペレーターなら知っておきたい必須用語

出来るBIMオペレーターなら知っておきたい6つの必須用語出来るBIMオペレーターが知っておくべき用語は以下の6つです。現場で活躍できるBIMオペレーターになるためにも、ぜひ押さえておきましょう。ファミリ・GDLオブジェクト出来るBIMオペレーターであれば、まずは「ファミリ」と「GDLオブジェクト」を知っておきましょう。ファミリとGDLオブジェクトは、「Revit」や「Archicad」などBIMソフトウェアのなかで用いられる3Dパーツの名称です。 (image) (引用 GRAPHISOFT  https://helpcenter.graphisoft.com/jp/user-guide/89388/)これらの用語は、自身が担当しているBIMのプロジェクトでピアノや楽器など、特殊な形状のものをBIMモデルとして作成する場面で使用します。例えば、自身のみでBIMモデルを作成できない場合、BIM推進の担当者に「ファミリの作成をお願いします」というように用いられます。そのほかにも、BIMモデルのパーツが足りないケースでは「GDLオブジェクトが必要です」といったように、クライアント側へお願いすることもあります。なお、ファミリのさらに細かい分類として「タイプ」という単語があります。この「タイプ」は「ファミリ」と異なる意味を持つため、BIMオペレーターであれば区別して言葉を用いましょう。製図ビュー「製図ビュー」という言葉も押さえておきましょう。製図ビューは、BIMソフトウェアである「Revit」の2D図面を作成するときに用いる言葉です。BIMは建築物の3Dモデルを作成するソフトウェアではあるものの、従来のCADと同じく2Dの図面を作ることも可能です。「Revit」のなかで製図ビューを用いることにより、3Dモデルと連動させずに2D図面のみを作成することができます。つまり、BIMを使いこなせば従来の2DCADは不要となり、3D・2DともにBIMのみで十分となるのです。 (image) BIM360・BIMcloudBIMオペレーターとして活躍したいのであれば、「BIM360」と「BIMcloud」についても知っておくべきです。これらの用語は、BIMで建設モデルを作成・編集する際に用いるインターネット上で共有するための「クラウドプラットフォーム」のことを指します。もしくは「建設業向けクラウド型のワーキングプレイス」とも呼ばれています。従来の2DCADでは各図面ごとにファイルが分類されていましたが、BIMの場合は1つのファイルにすべての図面が入っており、そのファイルをみんなで作成・編集します。みんなで作成・編集を行う際、ファイルを保存・共有する場所としてBIM360やBIMcloudが必要となるのです。知っておくことでクライアントからの信頼を得られるでしょう。 (image) RVTファイル・PLNファイル知っておきたい専門用語として、「.rvtファイル」と「.plnファイル」があげられます。これらは、大手BIMソフトウェアである「Revit」と「Archicad」を使用し、設計用に作成されたプロジェクトファイルのことを指します。「Revit」でBIMモデルを作成した場合はRVTファイルとなり、「Archicad」でBIMモデルを作成したのであればPLNファイルが作られます。まれにクライアントやBIM推進の担当者から、これらプロジェクトファイルを求められるケースがあります。その際に不安感を抱かせないためにも、RVTファイルとPLNファイルを把握しておきましょう。ST-Bridgeファイル・変換「ST-Bridgeファイル・変換」についても押さえておきましょう。どういう意味かというと、建築物の安全性を確認するための計算である「構造計算」で用いている、一貫構造計算プログラムからBIMモデルに変換するときに使用する「拡張子」や「変換方法」を指します。そもそも一貫構造計算プログラムとは、建物の規模や形状、材料、寸法といった各種荷重データを入力し、複数の計算・検討を中断することなく一貫して行う構造計算プログラムのことです。この一貫構造計算プログラムからBIMモデルに直接変換することは難しいため、両者に適正となるファイルを経由して変換する必要があります。つまり、一貫構造計算プログラムとBIMモデルにおける「変換の架け橋」となるファイルが、ST-Bridgeファイルなのです。BIMオペレーターの現場では、BIMモデルの状況説明をする場面などでST-Bridgeファイル・変換という言葉が用いられます。 (image) (引用 building SMART Japan  https://www.building-smart.or.jp/meeting/buildall/structural-design/)BEP(BIM Execution Plan)出来るBIMオペレーターになるためにも、「BEP(BIM Execution Plan)」という用語を理解しておきましょう。BEPとは、BIMの使用する目的をあらかじめ決めておき、その取り決めた内容を記録しておく計画実行書のことです。BEPを作成しておくことにより、チーム全体が目的やゴールを強く認識し、プロジェクト達成に向けてより効率的な業務を行えます。また、BIMで取り組むべき内容が明確になるため、チーム間の勘違いを減らして無駄なくプロジェクトを遂行できます。優秀なBIMオペレーターを目指す上では、事前に知っておきたい専門用語の1つです。まとめ本記事では、BIMオペレーターとして活躍したい方が知っておくべき専門用語を解説しました。 BIMオペレーターとして活用するためには、本記事で解説した専門用語が非常に重要となります。ぜひ本記事を参考にして優秀なBIMオペレーターを目指してください。

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海外におけるBIM活用事例

海外におけるBIMの状況まずは海外におけるBIMの状況を解説します。世界各国のBIMを理解しましょう。アメリカBIMの発祥といわれているアメリカ。建設プロジェクトのほとんどでBIMが使用されていることから、BIM普及率は世界各国に比べて高い傾向があります。2004年8月、アメリカの国立標準技術研究所(NIST)では「米国の建築産業における不適切な情報の相互運用に関するコスト分析」という報告書を発表したことで、世界的に影響を与えました。また、この報告書に明記されている「労働生産性が向上しない要因」を周知したことで、チーム内のコミュニケーション方法が改善され、同時にBIMやCADのソフトウェアが相互運用されるきっかけとなりました。中国中国では建設ラッシュが続いていることから、BIMの導入については非常に積極的です。また、国内における膨大な建設需要に応えるためにもBIMが必要不可欠です。それらのこともあり、中国国内の幅広い分野でBIMが推進されています。北京市に本社を構える「Taikong Technolog」では、中国全土をカバーするほどのチームを結成してBIM関連サービスを提供しています。さらに、中国でBIMを支援している「タイコン」は、独自のプラットフォーム「isBIM」を使用してBIMの活用性を広めています。また、政府の力が強い中国では採算を度外視した3次元CADやBIMの導入が進められており、国レベルの研究が行われています。こういった理由から、中国のBIM普及率が年々上昇しています。(image)  (出典 isBIM https://www.isbim.com.hk/people)シンガポール建設先進国の1つでもあるシンガポールでは、BIMの導入が早期から進められています。安全性が第一に考えられているため、BIMによる構造設計は政府以外の認定された第三者の検査技術者によって実施されます。また、生産性は二番目であることから、建設プロジェクトは政府主導で進められます。建設行政を担当する通称BCAという組織は、BIM導入に至る資金面の支援や人材育成、実務支援などを提供してきました。資金面に関してはソフトウェアやハードウェアの購入費用、コンサル費用、トレーニング費用などが含まれます。なお、シンガポールでは建設基準制度である「Buildability Score」というスコアが設けられています。BIMを活用して建築物を設計する際にはスコアを満たす必要があるため、国内におけるBIM運用の安全性が確保されています。(image)  (出典 Building and Construction Authority (Singapore)  https://www1.bca.gov.sg/download-application-forms/buildability-score)海外のBIM活用事例3つここまで、海外におけるBIMの状況を解説しました。続いて海外のBIM活用事例を3つみていきましょう。日本国内との違いが明確になるはずです。中国:上海タワー海外のBIM活用事例1つ目として、中国の上海タワーを紹介します。基本設計はアメリカの「ゲンスラー事務所」が行い、構造設計はアメリカの「Thornton Tomasetti社」が実施しています。工事に至っては「上海建工集団」が担いました。本プロジェクトはどれ1つとっても同じCWユニットがないため、施工する際にはBIMを活用した計画が必要不可欠でした。また、現場で活用したBIMの具体例は、仮置き場計画、取り付け順序、精度確保などがあげられます。プロジェクトを進行させる上では共通認識が行える3Dモデルの利用が必須であり、他社製ソフトウェアとの連携も求められました。BIMをうまく活用できたことによって、従来のタワー設計に比べて32%もの資材削減を実現しました。その後の上海タワー管理も含め、環境に配慮した素晴らしいプロジェクトとなったのです。なお、主に使用されたBIMソフトウェアはオートデスク社の「Revit」です。世界各国の技術者が集い、Revitを通じて国際的なコミュニケーションが行われました。(image)  (出典 Autodesk  http://bim-design.com/facebook/pdf/j_shnghai_tower_construction_and_development_customer_story.pdf)アメリカ:ジル・ヌーバウアー建築事務所2つ目に紹介するBIM活用事例はジル・ヌーバウアー建築事務所です。先程の上海タワーに比べるとかなり小規模な建設プロジェクトです。一般的な個人住宅である本プロジェクトは、自然環境に配慮したエコロジーが重視されました。本プロジェクトでは、BIMソフトウェアを用いて建築物の3Dモデルを作成し、配管などの干渉を削除して無駄な資源を減らしました。また、太陽の動きをシミュレーションして冷暖房や空調の位置を調整した設計を実現したほか、排出される二酸化炭素の削減を考慮するなど、あらゆる分野でBIMが活用されています。本プロジェクトのBIM活用は環境に配慮したコンセプトと非常にマッチしており、ジル・ヌーバウアー建築事務所は個人の要望に徹底的に応えたプロジェクトとして成功を収めました。オーストラリア:1 Bligh Street最後に、オーストラリアで筆頭すべき1 Bligh StreetのBIM活用事例をみていきましょう。楕円形の平面を持つ巨大な事務所ビルであり、構造検討や設備シミュレーション、相互の干渉チェックなどをBIMで取り進められました。作業所長のコメントではあるものの、30%のコスト削減や20%の工期短縮を実現できたことから、本プロジェクトはアメリカ建築家協会(AIA)のBIMアウォードを受賞しました。BIMを用いたお手本のようなプロジェクトだとされています。(image)  (出典 Case Study: BIM Management 1 Bligh Street. Ryan Hanlen, Architectushttps://docplayer.net/22086512-Case-study-bim-management-1-bligh-street-ryan-hanlen-architectus.html)まとめ本記事では、海外におけるBIMの状況、海外のBIM活用事例を解説しました。日本国内のBIM普及率は年々上昇してはいるものの、世界各国に比べると普及率はあまり高くありません。BIMの活用状況は国ごとに大きく異なり、建設に関する基準や制度もさまざまです。ぜひ本記事で解説した海外のBIM活用事例を参考にし、海外の良さを自身のBIM活用に取り入れてみてください。

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国内におけるBIM活用事例

BIMを活用する3つのメリットBIMの活用事例を紹介する前に、活用するメリットを3つみていきましょう。建設業界におけるBIMの重要性が理解できるはずです。業務を効率化できるBIMを活用すれば業務を効率化できます。従来の2DCADとは違い、BIMで作成した3Dモデルと2D図面のデータは連動しています。そのため、どちらか一方を修正するだけで、もう片方も自動的に反映されるのです。また、BIMは資材の再調整やスケジュール管理による手戻りを未然に防止できます。ほかにも干渉チェックの自動化を行えるなど、BIMを活用することで業務の効率化を可能とします。情報の共有がスムーズBIMを活用するメリット2つ目は、情報の共有がスムーズであることです。BIMで作成した3Dモデルは、従来の図面とは異なり理解しやすい傾向があります。それに伴い、図面を読み解く専門知識がない関係者の方でも簡単にイメージできます。また、BIMを活用すれば建築物のデータが細かく可視化されるため、クラウドを用いてチーム全体で情報共有が行えます。共有がスムーズであることから、施主とのオリエンテーションも円滑に進むはずです。設計初期からシミュレーションを行える設計初期からシミュレーションを行えることもBIMのメリットです。BIMソフトウェアは各種シミュレーションを得意としているツールであるため、構造解析や空調の解析、照明器具の配置検討など、解析や検討を早い段階で実施できます。早い段階でプロジェクトの計画を立てられることから、人件費や材料代といったプロジェクトにかかるコストを削減できます。また、あとになって設計を変更するなどのトラブルも減らせるため、手戻りによる損害を防ぐことが可能です。日本国内のBIM活用事例3つここまで、BIMを活用するメリットを解説しました。それでは日本国内のBIM活用事例を3つ紹介します。活用事例を詳しく知ることで、BIMに対するイメージが明確になるでしょう。名古屋城木造天守閣(image) (出典 名古屋城総合事務所蔵 http://www.archifuture-web.jp/magazine/365.html)BIM活用事例1つ目は、名古屋市中区で行われた「天守閣(観光施設)」の建設プロジェクトです。建築物は木造の地下1階・地上5階であり、基本設計段階から試行段階までBIMの活用が推進されています。名古屋城は数多くの城のなかでも特に豊富な資料が残っていたため、木材の配置や仕様、納まりなどを高精度の情報で作り込んでいます。これら豊富な情報をBIMモデルとして一元管理し、その情報をもとに設計図や構造検討、木材発注、施工検討などが行われました。また、意匠分野では木材の立体的な配置や木材仕様の検討に活用されたほか、ビジュアルプログラミングで屋根のモデルを作成しています。。ほかにも、意匠モデルの木材仕様を構造検討のモデルに活かす、宮大工の伝統技術と機械加工を組み合わせるなど、幅広い分野でBIMが活用されました。上記のように、BIMをあらゆる分野で有効的に用いたことにより、整合性を確保しながらプロジェクトを進行できました。さらに、ソフトウェアの機能で断面切断表示で設計図を見やすくするなど、関係者との情報共有を行う場面でも有効性を発揮したのです。選手村ビレッジプラザ(image)  (出典 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=112280)東京五輪・パラリンピックにおいて選手村に置かれる「ビレッジプラザ」のBIM活用事例を紹介します。大会の選手や関係者の憩い場として設計された施設であり、全国63自治体で伐採された国産ヒノキなどの国産材が多用されました。本プロジェクトでは、提供木材を利用するための約4万本・1,300立米を超える木材の管理をBIMで行いました。BIMモデルから数量および使用箇所の情報を抽出し、データを用いて各自治体とのスムーズな情報共有を可能とします。また、基本的な情報はすべてBIMで統合されており、施工者にそのまま素早く共有されました。これら情報共有をスムーズに行えたことも、BIMの活用による情報のデータ化だと考えられています。なお、本プロジェクトでは意匠・構造・設備のフルBIMモデルで設計されています。ほかのあらゆる分野でもBIMは活用されており、木材加工から組み立てまでの保管コスト削減や寸法変化によるリスク減少などを実現しました。みやこ下地島空港ターミナル最後に、沖縄県宮古市伊良部町の空港施設におけるBIM活用事例を解説します。本プロジェクトの建築部は、宮古島から伊良部大橋でつながる沖縄県の空港です。LCC(国内線)の考え方を取り入れて「空港から、リゾート、はじまる」をコンセプトに、BIMを活用してこれまでにはない空港を実現しました。本プロジェクトにおける基本設計と実施設計のはじめをBIMで行い、詳細設計や施工は従来のCADで図面を作成しています。なお、意匠分野と構造分野はBIMを用いて実施されているものの、加工分野や調達分野などはBIMで連携されていません。BIM活用の環境シミュレーションを行ったことにより、大きな変更・トラブル等はありませんでした。しかし、スケジュールや設計検討の変更がBIMでは追いつかないことから、実施設計の途中でCADによる図面作成に変更されました。(image) (出典 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=94655)まとめ本記事では、BIMを活用するメリット、日本国内のBIM活用事例を解説しました。建設プロジェクトにBIMを活用することで、設計業務や情報共有をスムーズに行えます。また、設計初期からシミュレーションを実施できるため、現場作業との相違やトラブルを削減できます。日本国内におけるBIM活用事例を3つ紹介しましたが、BIMのイメージは明確になったでしょうか?BIMをもっと深く理解したいという方は、「海外におけるBIM活用事例」も併せてご覧ください。

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建設業界が抱える深刻な課題とは?

建設業界が抱える深刻な課題とは?まずは建設業界に抱える課題を明確にしていきましょう。抱えている課題は以下の3つがあげられます。(image) 業務効率化の課題建設業界に抱える課題1つ目は業務効率化です。建設業界は多重請負構造になっていることから、ノウハウをテンプレート化して効率化することが困難です。業界全体がアナログということもあり、システムを流通させづらい傾向があります。こういった理由から、従業員1人ひとりに大きな負荷がかかってしまいがちです。どうやって業務を効率化していくかが、建設業界において大きな課題となっています。人材不足の課題建設業界の課題として人材不足があげられます。業界全体が慢性的な人材不足に悩まされており、ギリギリの人数でプロジェクトを進めるということが多々あります。当然ながら、作業員1人ひとりの負担が大きくなるため、さらなる人手不足を招きやすくなります。また、機械に任せて自動で処理できるという作業自体が少なく、どうしても人間の力が必要となります。こうした理由から、建設業界は人手不足の課題を抱えています。デジタル化の後れ近年、どの業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が注目を浴びています。しかし、建設業界においてはDXおよびデジタル化の後れが課題となっています。業界的にも「システムに頼ってはいけない」という概念を持つ作業員が多く、アナログな手法が習慣化されがちです。それに伴い、業務の打ち合わせや連絡、書類作成、図面管理など、建設にかかわる多くの業務があまりデジタル化されていません。(image) 建設業界の課題を解決するDXの活用法3つここまで、建設業界に抱える課題を解説しました。続いて建設業界の課題を解決するDXの活用法を3つみていきましょう。課題に対する解決法が明確になり、今日から行動に移せるはずです。DXによる最適化建設業界の課題を解決する方法1つ目として、DXによる最適化が考えられます。プロジェクトの基本計画から実施設計を行う初期段階にDXを取り入れることで、プロセス全体の最適化が図れます。具体的には、BIMソフトウェアによりプロジェクトの情報を検証・統合すれば、自然と最適な実現方法が可視化されます。また、クラウドの設計管理ツールを用いることで、従来のCADではできない作業者が同時に行うBIMデータの遠隔操作が可能です。このようにDXを有効的に導入すれば、チーム全体のコミュニケーションや建設業務を最適化することができます。DXによる自動化いま抱えている建設業界の課題は、DXによる自動化によって大きく改善されるはずです。BIMを軸とした建設プロセスを構築することにより、設計から維持管理までの過程における一部業務を自動化できます。例えば、従来の2D図面の作成、展開図や詳細図の作成、干渉チェックなどがあげられます。また、自動化とは少し異なりますが、BIMソフトウェアを用いれば建築基準法を3Dモデル作成時に確認できるため、設計時のミスやトラブルを未然に防ぐことが可能です。上記のように既存業務を自動化することにより、作業効率が大幅に向上するとともに人材不足の問題が改善されるでしょう。DXによる標準化建設業界の課題を解決する活用法3つ目は、DXによる標準化です。DXの活用によって設計や発注方法が標準化されることで、専門知識を持たない関係者でもプロジェクトを進行させることが可能となります。基本的に大規模なプロジェクトであれば、大人数で建設業務を進行させます。プロジェクトにおけるルールや決まりごとを明確にしておかなければ、意識や感覚の違いから大きなトラブルに発展するリスクがあります。プロジェクトにおけるトラブルを防止するためにも、DXによる標準化がキーポイントとなるのです。なお、令和3年3月に開催された国土交通省による「建築BIM推進会議」では、日本全体におけるDXの標準化を促しています。さらに、世界各国でもDX推進は活発であり、アメリカやシンガポール、韓国などで標準化の動きがみられています。(image) まとめ本記事では、建設業界が抱えている課題、課題を解決するDXの活用法を解説しました。世界各国のさまざまな分野で推進されているDX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、建設業界では業務のDX化が大幅に後れています。それに伴い、建設業界では解決すべき課題をいくつか抱えており、建設業界における規模拡大のためにも課題と向き合わなければなりません。そこで大切となるのが、関係者1人ひとりのDXに対する強い意識です。建設業界のより良い未来を目指すためにも、ぜひ本記事を参考にしてDXの知識を深めましょう。

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建築建設にDXが必要である3つの理由

建設業界とDXの関係性まずは建設業界とDXの関係性について解説します。そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を用いて業務やビジネスモデルを大きく変革させることを指します。このDXは業務を効率化するだけでなく、その先にある大規模な変革を目指します。経済産業省もDXを推進していることから、多くの日本企業がDXを重要視しています。建設とデジタル技術をかけ合わせたものは「ConTech(コンテック)」と呼ばれており、建設業界が今後生き残るために必要となる概念の1つです。建設業界にDXを導入することにより、事務処理の負荷が軽減・可視化されるとともに、プロジェクト進行におけるトラブルを未然に防止できます。さらに、業務の効率化を図ることも可能です。また、建設業界のDXとして特に注目されている概念が「BIM」です。BIMの活用によって設計や調達の効率化はもちろんのこと、現場作業にも影響を及ぼします。このBIMをどう活用するかによって、建設業界の将来性が決まるとされています。(image) 建築建設にDXが必要である3つの理由建設業界とDXの関係性については理解できたでしょうか?続いて、建築建設にDXが必要である理由を3つ解説していきます。DXの導入を検討している方はぜひご参照ください。BIM導入の推進BIMの導入がDX実現に向けた原動力になるとされています。それもそのはず、BIMソフトウェアを用いたプロジェクトでは建築物のクオリティが向上しやすく、進行もスムーズです。また、設計から施工、運用、検討といったように幅広い分野でBIMを活用できます。BIMを導入している企業とそうでない企業とでは、時間とともに大きな格差を招いてしまいます。時代に置いていかれないためにも、BIMを導入して建築建設のDX化を進めていきましょう。業務効率化への影響建築建設にDXが必要である理由2つ目は、業務効率化への影響があるためです。また、DXの導入によって建築物のクオリティアップにも期待が持てます。BIMは建築物の3Dモデルを作成し、プロジェクトに関するあらゆる情報をデータ化します。従来の方法でチーム全体に情報を共有する際には、デジタルデータを紙に出力する手間や図面を読み取る専門知識が必要でした。一方、DXを導入したBIMモデルの場合、わかりやすい3次元の設計図であるため直感的に理解することができます。また、各部材における干渉チェックの簡易化やワークフローの最適化により、業務効率を大きく高められるのです。(image) 世界各国に比べたDX化の後れ建築建設にDXが必要である理由3つ目として、世界各国に比べたDX化の遅れがあげられます。日本における建設業界の施工技術は非常に高く、海外からも注目されています。その反面で建設業界のDX化は大幅に後れており、BIM普及率における課題を抱えています。2015年時点の調査によると、海外におけるBIM普及率はアメリカ8割、ヨーロッパ7割、韓国5割でした。そのうち、日本におけるBIM普及率は4割程度しかありません。さらに、2019年9月に発表した「一般社団法人日本建築士事務所協会連合会」の調査結果では、有効回答995のうち「導入済みで活用中」である事務所は17.1%、「導入済みだが未活用」と回答した事務所が12.9%でした。このように、世界各国に比べたBIM普及率の低さが調査結果から明らかになりました。このままでは日本の建設業界は世界から取り残されてしまい、さらなる衰退を招いてしまいます。そうならないためにも、建築建設にDXを導入する必要があるのです。今後の建設業界におけるDX建築業界にDXが必要であることは理解できたかと思います。では最後に、今後の建設業界におけるDXの動向についてみていきましょう。建築業界ではBIMを筆頭にして、あらゆる分野でDXが導入され始めています。DXの活用により、3Dモデルの共有や干渉チェックの簡易化などを実現できており、業務効率の向上と建築物のクオリティアップに期待が持たれています。今後、これらDXの導入は国土交通省の意向もあって、少しずつ普及していくと予想されています。また、建設業界を拡大するにあたっては海外展開が必要不可欠であり、それに伴ってDXを推進する必要があるのです。世界各国に比べると日本国内のDX化は後れているものの、これからの建設業界には期待が持たれています。DXを業界に普及させるためにも、関係者1人ひとりが高い意識を持って取り組むことがキーポイントとなるでしょう。(image) まとめ本記事では、建設建築にDXが必要である理由、今後の建築業界におけるDXについて解説しました。デジタル技術を用いて大きく変革させるDX。このDXは建設業界において重要な概念であり、さまざまな分野で導入が検討されています。DXとして注目されているBIMを活用すれば、業務の効率化だけでなく建築物のクオリティアップにもつながります。世界各国に比べたDX化の後れを考慮したとしても、積極的にDXを導入すべきといえます。そのためにも本記事の内容を理解し、建設業界のDX化を進めていきましょう。

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DXとは?

DXとは?近年、世界的にDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉に注目が集まっています。このDXとは、進化したデジタル技術を用いて業務やビジネスモデルを大きく変革させることです。業務を効率化するだけでなく、DXはその先にある大規模な変革を目指します。(image)  この概念を提唱したスウェーデン・ウメオ大学教授「エリック・ストルターマン氏」は、DXを下記のように定義しています。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」建設業界にDXを導入することは困難であるように思えますが、我々の身の回りでは意外にもDXが用いられています。例えば、勤怠管理システム、クラウド上でのデータ共有、単純作業の自動化などがあげられます。このように、複雑だと思われているDXは親しい存在でもあるのです。経済産業省とDX経済産業省は日本企業の経営者に向けてDX推進を促しています。経済産業省が2018年12月に公表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXの重要性と導入プロセスを明確化しています。また、本ガイドラインにおけるDXの定義は以下のとおりです。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」つまり、DXの本質は「変革」であり、同時に競争優位性を高めて企業を存続させることでもあります。各企業がこのDXにしっかりと向き合い、事業の発展を着実に目指していくことが大切です。建築業界におけるDXここまで、DXの基礎概要を大まかに解説しました。続いて建設業界におけるDXについてみてきましょう。建設とデジタル技術を組み合わせた造語として「ConTech(コンテック)」と呼ばれています。ConTechの定義や活用の範囲は明確に定められていませんが、今後の建設業界において非常にキーポイントとなるでしょう。建設業界にDXを導入することにより、紙ベースで管理報告を行う事務処理の負荷が軽減・可視化され、業務が効率化されます。それと同時に、作業員の人員調達問題を解決できるはずです。このように、天候やトラブルで現場の状況が変化しやすい建築プロジェクトにとって、人員管理におけるデジタル化の影響は凄まじく、専門業者の柔軟かつ迅速なアサインが実現可能となります。DXにより生産性を高める3つの建設工程:BIMとの関連性前途のとおり、建設業界におけるDXは非常に重要な存在です。DXを導入することでさまざまな領域で効率化を図れるでしょう。それでは次に、DXにより生産性を高める建設工程を3つお話します。建設現場とDXの関連性を深くまで理解できるでしょう。建設基準・契約許認可のデジタル化により、申請や取得プロセスを合理化できます。また、建築業界のDXである「BIM」を活用することで、建築物の設計初期に建設基準を容易にチェックすることが可能です。さらに、発注者と請負者の契約においてもDXによる変化が現れます。従来のような発注者側が請負側を一方的に判断するやり方ではなく、お互いが納得して取り組む「コラボレーション型」のアプローチに切り替わります。それにより、コストだけに注目した価格競争入札のような事態を回避し、成果に応じたインセンティブを実施することができます。(image) 設計・調達BIMを活用することで建築物の設計や調達を効率化できます。また、設計図の3Dモデルを作成してチーム全体で共有することにより、プロジェクトにおける勘違いやミスが起こりづらくなると同時に、よりクオリティの高い結果に期待ができます。さらに、調達計画を改善すれば高い流動によって透明性を高め、物流の遅延を減らすことが可能となります。現場作業DXによる影響は設計段階だけでなく、現場作業にまで及ぼします。わかりやすく厳密な作業計画を作成することで、専門知識を持たない作業員でも効率的な作業が行えます。また、現場作業の開始前に確認業務をすべて完了させることにより、プロジェクトにかかわる人数を調整して人件費の無駄を減らせます。(image) まとめ本記事では、DXの基礎概要、建築業界におけるDXについて解説しました。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を用いて業務やビジネスモデルを大きく変革させることであり、業務を効率化させるだけでなく大規模な変革を目指します。建設業界では建設とデジタル技術を組み合わせたものを「ConTech(コンテック)」と呼んでおり、DXに対して注目が集まっています。設計段階でDXを導入することにより、建設工程の無駄やリスクを軽減することが可能です。建設業界のDXを推進するためにも、本記事の内容を参考にしてDXの理解を深めていきましょう。

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設備向けBIM活用法

そもそも設備設計とは?まずは設備設計について理解しておきましょう。設備設計とは、外観からはみえない建築物の内側である給排水や空調・電気設備などを設計することです。建物を利用する人が快適に生活できるよう、施主の要望を最大限配慮して計画を立案します。(image)  この設備設計は図面をただ設計するだけでなく、部品・機器を発注するコスト計算、施工時の工程管理、品質管理といったように、さまざまな業務を行います。また、設備設計には下記のような複数の分野が存在します。• 配管空調設備• 電気設備• 上下水道処理設備設計• 排煙脱硫装置設計• FA(ファクトリーオートメーション)設備設計これらの分野それぞれに独自のノウハウがあり、設計士としての仕事内容も異なるため注意が必要です。なお、設備設計のほかにも「意匠設計」と「構造設計」の建築設計があります。意匠設計は建築物の外観やデザイン、内部空間や間取りを設計します。一方、構造設計は建築物が地震などで壊れないように柱や梁などを取り決めます。これら建築設計を活用して、理想の建築物を作り上げます。設備設計のBIM活用事例3つ設備設計の基礎概要については理解できたでしょうか?次に、設備設計のBIM活用事例を3つお話します。以下の活用事例で設備設計とBIMの理解を深めましょう。スポーツ練習場・展示場:3階 木造・鉄骨造まず1つ目の設備設計におけるBIM活用事例として、東京オリンピックの体操競技会場に利用される施設を紹介します。この建築物は木と鉄筋の混構造であるため、はじめからBIMによる構造部材モデルと意匠モデルの定義を同時並行で進めました。BIMソフトウェアの活用によって座席の配置や傾斜など従来断面図の検討や、3次元における全座席からの視野確認を実施しています。さらに、避難や観客の入退場シミュレーションなどもBIMで検証されており、設備設計によるBIM活用結果は下記のように明記されています。「観客席の形状や、構造の構成がそのままデザインに影響する建物なので、両者をほぼ同時に検討できるBIMは欠かせない。さらに、複雑な曲面形状のなかに、設備を配置していくことも従来の2次元では困難であった」これらのことから、BIMで設備設計を実施したからこそ成功できたといえるでしょう。(image) (出典 清水建設 https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/1911/01/news066.html)テナントビル:7階 木造・SRC設備設計のBIM活用事例2つ目は、事務所兼賃貸オフィスビルの設計です。本プロジェクトは木の魅力を示す印象的な建築物になることをコンセプトとしており、国産木材の建材利用を推進するため法規や工法などを検証しています。BIMソフトウェアを使用することのより、木材の利用部分を3Dデータ化しました。また、木材の加工はネックになりやすいため、設計段階で各部材と建築物における主要部をBIMモデル化しています。なお、構造と主要設備についてもBIMを用いて設計を行いました。このように、BIMを活用したことで加工工場とのやり取りが円滑になったと同時に、短期間で間違いのない部材を大量に作成できました。それに伴い、BIMソフトウェアの可能性を見出したプロジェクトとなったのです。東屋:1階 木造設備設計におけるBIM活用事例3つ目は、東京都のクールスポットとして設計されたクールツリーの開発です。「株式会社日建設計」「銘建工業株式会社」「株式会社光栄」「株式会社村田製作所」の合計4社で共同開発したプロジェクトであり、意匠・構造・設備といったすべての設計をBIMソフトウェアで実施しました。また、いくつかの場所で実際に構築する実証実験を行っています。(image) (出典 三井不動産 株式会社日建設計 https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2018/0720/)本プロジェクトの設備設計は、太陽光パネルとペルチェ素子および制御装置、マイクロミスト噴霧システムなどをBIMソフトウェアで実施しました。また、実際の施工もBIMモデルにおいて部材を確認したことにより、建築設計の効率化や短期間での検討を実現できたのです。なお、今回はBIMになじみやすい建築物であったため、今後似たようなプロジェクトの展開に期待が持たれています。まとめここまで、設備設計の基礎概要、設備設計におけるBIM活用事例を解説しました。設備設計とは、建築物内側の給排水や空調・電気設備などを設計することであり、施主の要望を配慮して快適に生活できるよう計画します。この設備設計とBIMを組み合わせることにより、プロジェクトを効率的に進行させることが可能です。本記事で解説したBIM活用事例はほんの1例であるため、興味関心がある方は別の活用事例も確認してみてください。建築設計とBIMにおける理解を深められるはずです。

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構造向けBIM活用法

そもそも構造設計とは?BIMの活用事例を解説する前に「構造設計」の基礎について解説します。構造設計とは、建築物の安全性を確保するための土台や骨組みを設計することです。積雪や地震などで建物が壊れないように柱や梁の性能、形状、配置などを決定します。この構造設計は人々の命に関わる設計であるため仕事でのミスが許されません。そのため、専用のソフトウェアでシミュレーションを何度も行い、建築物の構造を慎重に設計する必要があるのです。なお、構造設計はプロジェクトにおける中盤から終盤にかけて実施することが多く、意匠設計を決定したあと、その情報に沿って設計していきます。また、建築設計には「構造設計」と「意匠設計」のほかにも、「設備設計」という設計方法があります。それぞれの設計方法を駆使することで、理想の建築物を設計していきます。(image)  構造設計のBIM活用事例3つここまで、構造設計の基礎概要について解説しました。続いて構造設計のBIM活用事例を3つみていきましょう。BIMと構造設計をより深く理解できるはずです。事務所:5階建て CLT+鉄骨ハイブリッド構造構造設計のBIM活用事例1つ目として、5階建て事務所の設計方法を解説していきます。この建築物は、林業関係の団体が入居するテナントオフィスです。兵庫県産材のCLTを壁と床に利用するプロジェクトとなっており、BIMソフトウェアによって構造設計が行われました。BIMソフトウェアは建築計画や施工計画、工事施工の各フェーズで使用されており、プロジェクトにおける構造・意匠・設備データそれぞれをBIMで作成しています。また、施工手順と建材の干渉チェックもBIMが用いられました。ほかにも、建築計画と構造計画における整合性の確認や、構造体に設ける貫通孔などの開口位置確認に活用されています。上記のように、BIMを用いて建築物のデータを3次元化したことにより、スムーズな共有で不整合をなくし、生産性の高いプロジェクトを実現できました。なお、BIMと組み合わせた分野は構造分野だけではなく、意匠分野・施工分野・調達分野・加工分野など、あらゆる分野でBIMが活用されました。オリンピック施設(仮設):1階 木造構造設計のBIM活用事例2つ目は、東京五輪・パラリンピックで利用される施設の設計です。このプロジェクトでは北海道から九州まで、全国63自治体で伐採された木材が使用されました。これら提供木材を利用するにあたり、約4万本・1,300立米を超える木材管理をBIMで行われました。(image) (出典 梓設計 https://www.azusasekkei.co.jp/team/6/)建築物で利用される部材1つひとつに自治体名が記されており、BIMモデル中に管理属性として産地が入力され、設計から施工、その後の再利用ができるようモデル化されました。また、構造分野に関しては意匠モデルから解析された線分を抽出し、デザイン変更のたびに構造確認が行われたのです。なお、この建築物におけるBIM活用メリットは、BIMモデルによる3次元データを作成したことで、発注・加工・供給をスムーズな流れで実現したことです。しかし、プロジェクト進行にあたって多くの工場と連携を取ったため、BIMのファイル形式を利用できない工場がなかにはありました。BIMを最大限活用できなかったという課題が残ったものの、プロジェクト全体の活性化を達成しました。空港施設:2階 木造・RC最後に、空港施設における構造設計のBIM活用事例をみていきましょう。このプロジェクトは宮古島から伊良部大橋でつながる沖縄県離島で行われたものであり、構造設計を含む一部の分野でBIMが活用されました。BIMソフトウェアをとおして自然通風や防風林配置をシミュレーションし、快適性を追求したターミナル計画を実行しました。基本設計はBIMとCADを用いて構造・意匠・設備が行われ、大屋根のCLT梁などはBIMで定義しています。しかし、本プロジェクトではいくつかの問題点が浮上しました。スケジュールや設計検討の変更などは、BIMでは追いつかなくなったのです。また、プロジェクトにかかわる施工業者のほとんどがBIMに対する知見を持っていなかったため、途中から従来の方法で図面作成や調達・加工が行われました。(image) (出典 三菱地所 鹿島建設 ヒルトン https://kansai-sanpo.com/hilton-miyakojima/)まとめ本記事では、構造設計の基礎概要、構造設計のBIM活用事例を解説しました。構造設計とは、建築物の安全性を確保するための土台や骨組みを設計することであり、建物が壊れないように柱や梁の性能、形状、配置などを決定します。この構造設計をBIMソフトウェア上で行うことで、業務の効率化やトラブルの防止につながります。ぜひ本記事で解説した活用事例を参考にして、BIMと構造設計を深くまで理解しましょう。

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意匠向けBIM活用法

そもそも意匠設計とは?意匠設計とは、建築物の間取りやデザインにおける設計のことであり、人々を魅了するような建築物を目指します。意匠設計のイメージは、奇抜なデザイン、懐かしく柔らかい雰囲気、人々の心を動かす空間など、設計者によってさまざまです。この意匠設計には大きく分けて「基本設計」と「詳細設計」の2つに分けられます。基本設計は施主から建築物の要望を聞き出し、その意見を反映させて形状や間取りを表現します。この基本設計においては、施主の要望を詰め込みつつ建築基準法に適合していることがキーポイントとなります。一方、詳細設計は基本設計で固めた内容をもとにして、建築物の内部状況や工事に関するすべてを決定したあと図面に落とし込みます。また、現場の作業員がスムーズに着工できるように詳細部分まで設計します。なお、意匠設計のほかにも、「設備設計」と「構造設計」という合計3つの建築設計があります。これら3つの建築設計を適正に用いることにより、理想とする1つの建物が完成します。意匠設計のBIM活用事例3つ意匠設計の基礎概要については理解できたでしょうか?続いて、意匠設計のBIM活用事例を3つ紹介していきます。BIMを使った意匠設計のイメージがより明確になるはずです。一戸建て住宅:2階建ての木造意匠設計のBIM活用事例1つ目として、一戸建て住宅を紹介します。木造2階建ての一戸建てに対し、BIMモデルを用いた意匠設計と構造設計を行いました。(image)  この物件では主に意匠設計と構造設計の情報の連結が重要であり、BIMの活用概要としては以下のように表現されています。「商品化住宅のため標準のパターンが決まっているとはいえ、個別に対応する部分の立体的収まりの確認のための3次元モデル化は重要であった」また、この建築物においては、住宅商品の意匠モデルと構造モデルをBIMソフトウェアで作成・結合すると同時に干渉チェックを行っています。さらに、設計者と施工者、プレカット工場が同じデータを3次元で確認することにより、不整合をなくしてフロントローディング設計を試みたとされます。研修所:地下1階・地上3階の木造BIMを用いた意匠設計の活用事例2つ目は、地下1階・地上3階の研修所です。この建築物は緑豊かな森のなかに建つ研修所であり、国産杉材を使用したCTLパネル工法が採用されています。また、当該建築プロジェクトでの仕上げ・躯体・設備それぞれの「設計モデル」をBIMソフトウェアで作成しています。このプロジェクトでBIMソフトウェアを使用した主な目的は、干渉チェックと意匠確認を行って図面の精度を上げることです。なお、建設計画のフェーズでは意匠分野が次のように表現されています。「ボリューム検討のほか、内外観の意匠検討に活用した。特に、CLT躯体あらわしの仕上げが多い計画であったため、構造・設備の納まりを含むディテール調整に役立てた」上記のようにBIMと意匠設計が行われており、それによって間違いや手戻りをなくすとともに、承認・発注・制作にかかる期間を短縮させています。天守閣(観光施設):地下1階・地上5階の木造最後に、観光施設である天守閣のBIM活用事例をみていきましょう。このプロジェクトでは日本最大規模の名古屋城天守を木造で復元させようとして、基本設計段階から施工段階までのBIMの活用を進めています。(image) (出典 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=102953)異例なほど豊富な資料が残っているため、その情報をもとにして木材の配置、使用、納まりなどを高い精度で作り込みました。これら豊富な資料から抽出した情報をBIMモデルで一元管理し、設計図や構造検討、木材発注、施工検討などに活用しています。(image) (出典 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=102953)さらに意匠分野においては、木材の立体的な配置や木材使用の検討に実施されました。ほかにも、屋根のモデルをビジュアルプログラミングで作成するなど、BIMと意匠設計の有用性を発揮しています。なお、この建築物の構造分野・意匠分野・調達分野・施工分野などをBIMで設計しており、整合性を確保しながらプロジェクトを取り進めました。BIMソフトウェアを有効的に活用したからこそ、効率よく設計作業を遂行できたとされています。まとめ本記事では、意匠設計の基礎概要、意匠向けのBIM活用事例を解説しました。意匠設計とは建築物の間取りやデザインにおける設計のことであり、人々を魅了するような建築物を目指します。意匠設計のイメージは、奇抜なデザイン、懐かしく柔らかい雰囲気、人々の心を動かす空間など、設計者によってさまざまです。この意匠設計とBIMソフトウェアを組み合わせることにより、整合性を確保しつつ効率的にプロジェクトを進めています。BIMと意匠設計の理解をさらに深めたい方は、ぜひ本記事で紹介した活用事例を参考にしてみてください。

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3DCADとBIMの違い

BIMとは?3DCADとBIMの違いを解説する前に、BIMの基礎概要を理解しておきましょう。BIMとは、コンピューター上で3Dの建築モデルを作成する仕組みのことであり、「Building Information Modeling」の略称です。BIMを活用することで建築物の調査や設計、施工などの工程を一括管理できます。このBIMは国土交通省も推進しており、官庁営繕事業は平成22年にBIMの試験的導入を行いました。その結果をまとめたものとして「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作製及び利用に関するガイドライン」を平成26年に公表しました。なお、日本国内のBIM普及率は海外に比べて大幅に後れており、建築業界の今後の展開に期待が持たれています。3DCADとBIMの違いBIMについて理解できたところで、3DCADとの違いをみていきましょう。従来の3DCADは、2次元の設計データを手動で組み替えることにより、立体的な図面を作成するソフトウェアです。3DCADで作成した設計図面には各パーツの形状や寸法が示されており、図面上に建築物の詳細データを表示することも可能です。しかし、3Dモデルと2Dの図面どちらかを修正する場合、もう一方のモデルも設計工程まで戻って修正する必要があります。このことから、3DCADでの3Dモデリングは手間と労力がかかってしまいがちです。(image)  一方、BIMの場合は最初から3Dモデルを作成します。その後、作成された3Dモデルの断面を切り出し、2次元の図面を簡単に作成することが可能です。また、3Dと2Dのモデルが連動しているため、どちらか一方が修正されると関係している部分がすべて自動で修正されます。つまり、BIMでは3DCADのように手動で修正する必要がないことから、結果として作業効率を大幅に高めることができます。BIMのメリット・デメリットここまで、3DCADとBIMの違いを解説しました。続いてBIMのメリット・デメリットをみていきましょう。BIMの理解がより深まるはずです。BIMのメリットBIMを導入するメリットは、設計や管理の手間が省けることです。BIMの3Dモデルには構造設計や設備設計といった情報が含まれており、ソフトウェア内ですべてのデータが連動しています。連動しているデータが自動で反映されるだけでなく、資材の再調達やスケジュール管理による手戻りも防止できます。また、建築物のイメージをチーム全体で共有しやすいこともメリットとしてあげられます。BIMで作成した3Dモデルであれば、専門的な知識がなくても直感的に読み取ることが可能です。さらに、建築費の変動などをデータとして算出できるため、技術者以外が関わるプロジェクトでも円滑に進められます。BIMのデメリットBIMのデメリットとしては、導入コストが一定以上かかることがあげられます。BIMのソフトウェアは高額であることが多いほか、ハードウェアの刷新や高速ネットワークの構築などが必要となるケースもあります。3DCADのメリット・デメリットBIMに続いて、3DCADのメリット・デメリットをみていきましょう。両者の違いをより明確に理解できるはずです。3DCADのメリット3DCADのメリットは導入のハードルが低いことです。BIMソフトウェアに比べて合計コストが少額で収まりやすく、3DCADは純粋な設計ツールであるため、ツールを扱える技術者がいるだけでプロジェクトを進められます。さらに、3DCADは建設業界の普及が進んでいることから、ほとんどのツールが出力データの互換性を持っています。そのため大人数で進めるプロジェクトの場合でも、複数企業における協業がしやすいというメリットがあります。3DCADのデメリット3DCADのデメリットは、2Dの図面から3Dモデルに組み替える手間が発生することです。先程お話したとおり、CADでは3Dと2Dのモデルが連動されていないため、どうしても手動で組み換え・修正をしなければなりません。まとめここまで、3DCADとBIMの違い、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。従来の3DCADとBIMでは、3Dモデルを作成するプロセスが異なります。BIMであれば3Dと2Dのデータが連動しているため、どちらかのモデルを修正すればもう一方も自動で反映されます。このことから、3Dモデルを扱う建築設計においては、BIMソフトウェアを活用したほうが効率的です。本記事を読んで少しでもBIMに興味が湧いた方は導入を検討してみてください。ソフトウェアによっては無償体験版もあるため、BIMの有用性をぜひ体験しましょう。

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BIMの歴史

BIMの歴史1970年代の初めごろ「Applied Research of Cambridge Limited(ARC社)」という企業によって、オックスフォード地方保健局のプロジェクトでBIMの概念を持ったCADが開発されました。このARC社は、マーティンセンター(ケンブリッジ大学建築学部研究室)の「エド・ホスキンス氏」が1969年にスピンオフとして設立した会社です。1970年の初めにBIMの概念であるCADが開発されたあとの1970年後半、ARC社は病院設計に特化したCADの製品化を始めました。また、当初「BDS」と呼ばれるCADシステムは、「GDS」と呼ばれるシステムに進化を遂げました。さらにその後、ARC社はGDSの活用範囲を建築土木分野から地理情報分野に拡大を行います。(image) 日本国内におけるBIMの年表日本国内にBIMの概念が輸入されたのは意外と最近です。以下の年表をご覧になることで、BIMがまだ新しいソフトウェアであるということが理解できるでしょう。• 2007年:アメリカのBIMガイドライン公表に伴い「BIM」の概念が日本に輸入される• 2009年:BIMに関連する書籍が発売されるとともに、一部でBIMの導入が活発になり「日本におけるBIM元年」と呼ばれる• 2010年:国土交通省が「官庁営繕事業におけるBIM導入プロジェクト」を開始し、BIMを用いた設計の試行を始める• 2014年:国土交通省が「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成及び利用に関するガイドライン」を公表し、BIMの定義や運用を明確化するこのように、BIMが日本国内に輸入されたのは2007年からであり、これまでに数々の進行を続けてきました。しかし、世界各地に比べて日本のBIM普及率は大幅に後れています。いまはまだ黎明期で不完全な部分が多い日本の建築業界ですが、今後これらの改善や海外展開が予想されているため、これからの建設業界に期待が持たれています。BIMに関連する概念の歴史BIMの歴史については大まかに理解できたでしょうか?続いて、BIMに関連する概念の歴史を解説します。BIMとのつながりを詳しく理解できるはずです。OXSYS(オクシス)1970年代、ARC社は「OXSYS」を開発しました。オックスフォード地域保健当局向けのプロジェクトでOXSYSは開発され、このOXSYSは現在でいうところのCADソフトウェアであり、BIMの概念を持ちます。なお、このプロジェクトはオックスフォード地方保健局向けに行われた、大規模な医療施設の設計や施工、データ管理などの工程における、建築物の3Dモデルと関連の属性データ、図面データを連携するためのCADを開発するものでした。BDS(ビーディーエス)「BDS」とは、「Building Design System」の略称であり、OXSYSから病院設計専用の構成要素を削除したものです。データベース機能を持った汎用CADとして優秀なシステムではあったものの、一般的な設計作業に活用しにくいというデメリットがありました。そのほかのデメリットとしては、コンポーネントの自動組み立てができない、3Dモデルの詳細編集を行えないなどがあげられます。GDS(ジーディーエス)「GDS」とは、BDSの制限事項を補って進化させたシステムのことです。「General Drafting System」の頭文字を取ってGDSと呼ばれます。GDSが考え出された当初は2Dの図面を表現するシステムでしたが、のちに2Dの形状に高さ方向の値を付与することで、3Dモデルを構築する手法が確立されました。それによって、立体的な3Dモデルや3Dパーツを描くことが可能になったのです。また、このGDSは現況図や立面図、平面図といった複数の図面を活用できるため、建設以外の分野でも幅広く利用されていました。まとめ本記事では、BIMの歴史、BIMに関連する概念の歴史について解説しました。1970年代の初めごろ、「Applied Research of Cambridge Limited(ARC社)」という企業によってBIMの概念を持つCADが開発されました。その後、いくつかの進化を重ねてGDSの活用範囲を建築土木分野から地理情報分野へ拡大しました。日本国内にBIMの概念が輸入されたのは意外と最近であり、海外に比べて日本のBIM普及率はあまり高くありません。しかし、建設業界の海外展開が予想されていることで、これからの建設業界に期待が持たれています。時代に取り残されないためにも、いまからBIMの導入を検討してみてください。

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